世界に散らばる華僑の実態

 その実数は正確にはつかめていませんが、中国人が世界最大の民族であることは間違いないでしょう。中国大陸に12億人以上、台湾に2100万人、シンガポールに200万人、ほかにマレーシア、インドネシア、フィリピンにも多くすみ、世界中で中国人は13億人にも近い数になります。

 そして国によっては華僑資本が経済の大部分を牛耳っている場合も見受けられます。たとえばマレーシアでは首都クアラルンプールの証券取引所には400社ほど上場していますが、そのうち8割は華僑系の企業です。そしてインドネシアでも圧倒的な資本力で、華僑人口はわずか3%なのにやはり経済の8割を占めています。タイの場合は人口の2割が華僑で多くは都市部のバンコク市などに居住し国全土の商工業資産の9割と銀行資本の50%を握っています。

 華僑が海外の各地においてこのように大成功を収めているのも、元はといえば中国の四千年の歴史の中で常に国内が混乱し、分裂と統治を繰り返し国民が苦難を強いられてきたためというのも皮肉な話です。
その2 菜 単
その1 食 補